さだまさし関連

さだまさしの卒業ソング

投稿日:2018年3月23日 更新日:

3月の卒業シーズン。

卒業といえば、名曲が多いですね。

各年代、人気アーティストが歌う 卒業にまつわる歌は1曲 2曲ではないはず。

80年代アイドルからキャンディーズまで必ずありましたよね。

今回は、さださんの歌う 卒業にまつわる曲を集めてみました。(別れの曲は多すぎて。色んな状況の別れがあるので、今回は卒業にこだわってみました)

年代の古いほうから最新になるように 取り上げてみます。

曲調も歌詞も時代とともに変わっていきますが、送る側、送られる側、

片思いの切なさ、離れていっても愛し続ける気持ちが伝わってくる、

ひとりひとりの思い出が浮かぶようなキュンとなる曲が揃っています。

目次

グレープ時代の卒業ソング

グレープ 1972年~1976年

吉田政美(よしだ まさみ)とグレープというギターデュオ結成。

さだまさし ヴァイオリン・ギター ボーカル担当

吉田政美 ギター コーラス担当。

グレープという名の由来は、アマチュア時代から曲を書いていたさださんの楽譜に印がわりに ぶどうの絵が描いてあったことから、吉田さんがこれをみて「グレープ」でいいんじゃないか。と言ったことから。

ボーカルを誰にするかはじゃんけんで決まったと逸話があります。

「雪の朝」でシングルデビューしたものの、全く売れず、2曲目に出した

「精霊流し(しょうろうながし)」が大ヒット。その後も「無縁坂」

「縁切寺」がヒットし、人気絶頂だったのですが、さださんが 身体を壊し、惜しまれつつ解散。という経歴のグレープですが、

3枚のオリジナルアルバムを出しています。

その中の1枚 ファーストアルバム 「わすれもの」から

「あこがれ」

卒業の文字は出てきませんが、おそらく”先輩”であろう人のことをずっと好きで憧れていたんだけれども、別れを迎える今日この日まで、そのことに気付かなかった。私ってなんておバカなの?

こんなに好きだったけど、今日でさよならなのね。

でもずっとこれからも あこがれの先輩です。

心を込めて さよなら って言いますね!

というようなことを、フォークの新人のアルバムとしてはとても豪華な

ストリングス(オーケストラ)で壮大に曲が流れていきます。

さすがクラシック出身と思わせるメロディーはチャイコフスキーのピアノ協奏曲にインスパイアされて作った曲。

大好きな先輩にずっと憧れていたのに、「あこがれ」だったことに卒業の今日まで気づかなかったなんて!

片思いの別れの曲であるけれど、どこか明るい、大海原に出ていく船のような爽やかさがある曲です。

グレープ時代の人気曲でもあります。

「つゆのあとさき」 アルバム 「風見鶏(かざみどり)」に収録 (1977年)

グレープを惜しまれつつ解散後、2作目のアルバムとなる「風見鶏」を発表。なんとこのアルバムは1977年のベストセラーアルバムとなります。

同時期にソロでヒットした「雨やどり」があるのですが、オリジナル版には

収録されていないのです!

今だったら、ヒットした曲はどのアルバムにも入っているであろうに、収録されていないなんて驚きですね。

当時を振り返ってさださんは アルバムが売れた頃と語っています。

今 CDが売れない時代と言われて久しいですが、当時はシングルカットされていない、アルバムでしか聞けない曲というのが、ファンをぐっと惹きつけたのかもしれません。

では、このアルバムの中から、卒業にまつわる名曲が生まれます。

「つゆのあとさき」

タイトルは”つゆ=梅雨”がついてますが、まぎれもなく卒業の歌。

恋人の卒業式に 思いを巡らせる 彼。

美しく成長した彼女の指先のマニキュアが”不似合い”で”お化粧なんてしなくていいよ”と思う彼は まるで「木綿のハンカチーフ」の逆バージョンのようです。

大人になって卒業していく「君」がのやさしさ、美しさが愛おしくてたまらないという想いが伝わってきます。

さださんの特徴的なことは、情景が思い浮かぶ歌詞。

桜とは書いてませんが、別れるときも出会った時も 「花びらのなか」

他の誰よりもきれいだったと回想しています。

そんな花びら散る中で 卒業していく彼女に制服ももういらないし、大人になって 自分=彼からも 卒業してくんだなということがわかります。

そして、その美しい彼女をずっと見守ってきた彼の 切なさがたまりません。

何故、梅雨のあとさきか。私は未だに理解できないでいます。

春の卒業 3月~4月だとしても、梅雨はもっと先。

あとさきとは、物事のあと=後 とさき=前のこと。

卒業の前と後ってことはわかりますが、歌詞の最後は 梅雨のあとさきのトパーズ色の風 という描写がでてきます。

この歌は 卒業の時には悲しすぎて書けなかったってことかしら?

とか、自分なりの解釈でこの情景を思い浮かべることができる名曲です。

さださんの歌には、別れの曲がおおいのですが、”別れても好きな人”というパターンが滅茶苦茶多いです。

ただ、悲しいだけではない、ずっと見守ってるよ。君のために別れたんだよみたいな、曲本当に多い。

この曲もそんな1曲だと思います。

これをカラオケで上手に歌えたらとても気持ちよく歌えるバラードとなっています。

「歳時記」 アルバム 「夢供養」 1979

続いて 1979年のアルバム 「夢供養」から「歳時記(ダイアリー)」

この曲は、卒業の2文字はないものの、明らかに学生時代に付き合っていた恋人同士が 卒業を機に離れ離れに暮らし=今でいう遠距離恋愛 していたけれど、彼女に好きな人ができて、その彼女が結婚をするという手紙をもらう歌詞になっています。

彼氏はその手紙を素直に受け取り、彼女を取り戻すことなく、幸せを祈る。

という、諦めの早い彼氏の想いが行間に込められています。

そして、歌詞の中に その恋人がいかに可愛く、素直な女性だったかというエピソードがつづられています。

交換日記のように、日々の出来事をつづる二人だけの歳時記(ダイアリー)を書くことにした、とか、

可愛がっていた花をかすみ草と名付け、水やりを忘れて枯れそうになったことをひどく心配して、一晩中看病した とか、

そんな彼女を いわさきちひろの絵のようだ と歌っています。

少女マンガですら書かないようなキュンキュンすることを平気でする二人。

冷静に読むと突っ込みどころ満載ですし、今時の女子大生に そんな童話に出てくるような子がいるかは甚だ疑問です。

ですが、当時の10代~20代 さだまさしのファンはキュンキュンしながら聞いていたのでしょう。

とにかく 可愛いメルヘンチックな曲が多い時代でもあります。

「桜散る」 アルバム GlassAge (グラスエイジ ) より(1984)

タイトルからして、ガラスの世代です。壊れそうな、切れたら痛そうな世代の歌。

バブル全盛期なはずですが、さださんはその急激な時代に 取り残され、人との距離が極端にうすくなったことを感じ取っての ネーミング。

アルバムの中の曲は、美しく、切なく、時代の流れに捨て去れてしまう、世界感を歌う曲が多いです。

その中でも やはり 卒業ソングとしてあげるのは、

「桜散る」

先出の「つゆのあとさき」に並ぶ、桜舞い散る 情景が目に浮かぶ、名曲。

ですが、卒業を思わせる歌詞は具体的にはありません。

個人的になぜか卒業を思い起こしてしまいます。

歌詞の 春には春の 秋には秋の 花が咲くように

季節が変わっても君をみつめていたよ。という部分や

君と僕の時間の経過が 思った以上に違っていたということ。

そして、 タイトルである 「桜散る」というフレーズが何度も繰り返され、 別れるのは仕方ないけど、君を愛してたんだよ。

自由に君は歩いていきなさい という意味の歌詞や 桜吹雪で君が見えないという歌詞に、卒業がかぶって見えてきます。

サビの「桜散る」は 桜吹雪が 紅白のトリの北島三郎さんの紙吹雪並みに舞っている様子が目に浮かんできます。

いろんな事情があって、気持ちのすれ違いもあり、別れなければいけない二人を桜吹雪で表現するところは 小説の一場面のようです。

「道の途中で~On The Way~」

同じく GlassAge より 「道の途中で(On The Way)」

この曲も 旅立つ彼女を励ます一曲。

何故卒業と関係するかというと、 「リラ冷えの朝に旅だつ君へ」という歌詞で始まるこの歌。

リラとはライラックの事。

ライラックはとても香りがよい花で、4月が最盛期。

4月のライラック香る 花冷えの朝。

彼女は旅立ちます。

これからの道は3差路ばかりで道に迷うかもしれない。

そんな時は僕を思い出してね。君を愛していたことを。

という励ましソングにもなっています。

さださんの曲には このパターンは非常に多いです。

別れ行く恋人をずっと優しく見守り、心の中で応援し、愛し続けるというそんな曲。

決して、恨みつらみ ねたみ 暴言などは 吐きません。

去り行く彼女に 「君が好きだった」「あえて良かった」

「時代に流されず、君は君らしく生き抜いて、僕も僕が思うとおりに道を歩んでいくよ。

幸せになってね。また会おうね。と歌詞は続いていきます。

こうした曲を聞くと、女性側としても 凛とした、内に強さを秘めた女性のようになりたいなと思えてくる、独立心を持った 大人の女性に憧れます。

「初恋」 アルバム 「夢ばかりみていた」より 1990年

この曲も 明らかに 桜と共に思い出す1曲。

卒業とは歌われていないけれど、学生時代の淡い初恋を描いています。

この歌は さださんの妹でもあり、歌手の佐田玲子さんに贈った曲でもあります。

誰もが経験するであろう 淡く切ない恋心。通学途中の公園にさく桜の花。

「好き」という気持ちを伝えたくても 胸が苦しくて伝えられない。

大きな桜の木に 「好き」ってつぶやいていた思い出。

学生時代のささやかで 淡い恋心だけど、大人になっても、その気持ちを時々思い出して、好きな人を思い浮かべることで 悲しみを支えてくれた

初恋の人。

今 どうしていますか?

どこかで幸せですか?

誰かにもらったあなたの写真は今でも大事にとってあります。

あなたと大きな桜の木が映っている写真。

桜と公園は今はもうないけれど、この写真の中で桜がきれいに咲いてますよ。

という歌詞の内容。

のびやかな声で歌うと本当に 思い出の桜とその下に移っている大好きな人。

この思いが私を支えてくれる。 なんて、

胸キュン必須です。

まとめ

年代ごとに 卒業にまつわる歌を集めてみました。

さだまさしさんの歌う 卒業は 旅立つ彼女を優しく見守る、少し大人な彼。という印象。

そして、映像となって目に浮かぶ 桜吹雪や桜の大きさ。

別れに花がこんなに出てくるのも意外ですか?

実は桜にまつわる歌はまだまだまだあるのです。

震災から生き延びた桜の事。

両親を思い浮かべての桜。

春になり、ようやく来た幸せ。

そんな 人の心によりそう桜の歌。

たくさんありますが、まずは卒業シーズンの歌から。

アルバムの曲は 聴かない って方もいるかもしれませんが、

さだまさしファンがおススメの数曲(1曲はもう決まっています。不動の1位は主人公)をあげたら、間違いなくシングルカットされた曲より、売れてヒットした曲ではなく、アルバムの中の曲がでてくるでしょう。

あなたにピンときた曲はありましたか?

聴いてみたいと思っていただけたら嬉しいです。

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